- 2011.02.27 Sunday
珍しく、シネマスタイリストのお話を。
(C) 2011「漫才ギャング」製作委員会
昨日は、公演が終わり
そのまま最終の新幹線へ。
日付が変わる頃には
東京の自宅に到着していました。
パソコンを開いて
ニュースをチェックすると
“佐藤隆太、映画よりも虎?”と
いった見出しが。
そう、私がMCを担当した
25日『漫才ギャング』の
大阪舞台挨拶の模様が
レポートされていたのでした。
私は、その瞬間
「良かった!」と、
宣伝さん方のお顔が浮かびました。
その後、あぁ私も、そう思えるように
なったんだなぁ,,,としみじみ
思ったのでした。
どういう事ですかって??
そこで今日は、
ちょっぴり真面目な
お仕事のお話です^^。
この見出しはどういうコトかと
言いいます、
主演の佐藤さんは、
阪神ファンとの事ので
宣伝の方からは、
「映画の話と共に時間があれば
その辺りのお話もお願いします☆」
というオファーが
事前にありました。
ここは関西、
既に東京では
完成披露記者会見があったので
同じ内容では
なかなか記事には
なりにくいもの。
そうすると、
やはり何か関西色を出して
違う角度から
ニュースなどに取り上げて
頂くことで
作品をアピールすることが出来る。
宣伝さんは、いつも
このようにして
様々な話題性を作るのに
日々、努力されているのです。
****
かつての私、
つまり“かけだし”の頃の私は
舞台挨拶で、映画のことしか
質問するべきじゃない、
と,頑なに思っていました。
だから、その頃の私なら
心では非常に葛藤しながら
佐藤さんにお聞きしたと思う。
ほんの,15分〜20分の間なのに
関西の事や時事ネタは必要ない。
映画だけでいいはず。
「たこ焼きは食べましたか?」
なんて聞き飽きてはるやん、きっと?
その質問の代わりに
映画をもっと掘り下げたい。
と、映画好きゆえの(!?)
妙な使命感でいっぱい
だったワケです。
今、思えば、あぁ
ちょっぴり恥ずかしい(笑)。
* ****
そもそも、このお仕事は
したい!と思って始まったというよりは
気づいたら、そうなっていた
という状況だった事もあり
また教えてもらえる学校もなく
教えを乞いたくても
周りは浜村淳さん(!)やその他
大ベテランの方ばかりでしたので
恐れ多くてお聞きも出来ず
自分の仕事の役割を
いまいち把握できてなかった
のでしょうね。
もちろん、司会進行役である
ことはわかっているけど
それは何の為の
“進行”なのか?を
理解しきれてなかった。
* ****
でも、今でも時々
難しいな、って思う時が
あります。
まず、映画の舞台挨拶というのは
映画をお客様にお披露目する
記念の場であり
世間一般の方にアピールする
宣伝の場でもあると思うのですが
私の立場としては
(あくまでも私の場合ですよ)
その会場、お客様を
盛り上げたい。
監督/出演者の皆さんに
気持ちよく喋って頂きたい。
マスコミ記者の方に
宣伝して頂けるようにしたい。
(映画会社さんの立場に立って)
つまり、
喜んで頂きたい方々が
沢山いらっしゃる訳です。
一対一で、
何かモノを買って頂く。
とはまた違って、
立場の違うすべての方が
満足頂くには
どうしたらいいのだろう。
という事を
考えるんですね。
そうすると
★ まだご覧になっていない
一般のお客様を前に
掘り下げた質問をするよりは
入りやすい投げかけの方がいいのでは?
(→すると、ありきたりな質問に
なってしまう。)
★ 一方、ありきたりな質問は
監督さんや俳優さんも聞き飽きて
いらっしゃるのでは?
もちろんプロだから
そこはきちんと答えてくださるだろうけど
あまりに用意された答えだと
そこでは盛り上がれないし
監督達も楽しくないのでは??
★ となると、盛り上がるのは
その場で起きた“何か”を
私がうまく拾って笑いにつなげること
だったりするけれど
それだと内輪受けで記事にはなりにくい。
なんて、質問内容のことを
あれやこれや考えつつも
配給宣伝さんから
頂いた台本があり
その通りきっちり進めないと
いけない時もあれば
micにお任せ、の時もある。
また舞台挨拶の中で
マスコミによるフォトセッション
という時間を取る必要があったり
(よく新聞やWEBで
作品のパネルと一緒に
監督・キャストの方が並んで
写っている写真ありますでしょ^^)
スペシャルゲストの方が
花束を届けるなど
ご登壇者との映画トーク以外にも
やるべきことがあることも。
ただ、とても大事なのが
○○分には
全て終わらせなければならない
というタイムリミット。
もちろん時計は見ません。
会場にいるスタッフの方が
5分前になるとサインを
くださったりしますが
場合によっては
見えないこともしばしばです。
あとは自分の
時間感覚に頼るのみ、です^^。
つまり、やらなくてはならない事を
限られた十数分間の中で
こなしながら
どれだけ会場の方と一緒に
盛り上がり
素敵な作品であることを
印象づけ
マスコミの方に記事にして
頂けるか、という
とっても楽しい
即興芝居のような
お仕事です(笑)。
主役はあくまで
ご登壇者の方々、彼らの魅力を
どうやって引き出していくか
・・・なんて、
難しいこと書いてますね。
いつも、ただその場を
楽しんでいるだけなのですが
文章にすると、
何だかすごく考えてるみたいで
変だなぁ・・・、笑。
* ****
って、こんなお仕事のお話
皆さん、読まれていて
楽しいのかしら??
もうしばらく続いちゃいますけど
大丈夫ですか??
で、今回の話に戻りますね。
最初にご登場頂いた後の
質問を考えるにあたり
やっぱり最初って
関西のお話をした方が
“お客様”が、監督/キャストの方に
とっても親近感を抱いてくださる。
=場が和む。んですよね。
かつては頑なに出さなかった
関西トークも、今では
すんなりお聞きできます(笑)。
たとえば
私:「たこ焼き、召し上がりました?」
監督:「ええ、美味しかったんですよ〜〜!」
それだけで、会場では
お客様が監督に
親近感を覚えてくださり
小さな一体感が生まれたりします。
これは東京以外、のお話かも
知れませんが^^。
今回、品川監督には
「漫才といえば大阪で
私達にとっては、
つっこみ、ノリつっこみは
日常会話です!
そのような大阪の人々が
今からご覧になるわけですが
監督としてはどのような
お気持ちですか?」
といったようなご質問をしました。
すると監督も
「そうなんですよね〜。
この映画館が日本一前売りチケットが
売れているらしくて
“漫才”とつくと関西の人たちは
すぐ買ってくれるんでしょうかね〜云々。」
と面白おかしく
お話してくださいました。
私としては、
関西の話をしながらも
するりと映画の話題に
持っていきたい、という
思いでした。
佐藤さんには
「昨年のM1グランプリ、
関西での最高瞬間視聴率は30%を
超えたんですが、
つまり3人に1人はご覧になっている
わけで・・・
(観客の皆さんも“へぇ〜”の声。
佐藤さんも驚きの表情)
そんな関西でのお客様が
これから佐藤さんの漫才シーンを
ご覧になられる訳ですが・・」
って、私、
めっちゃイジワル(笑)。
佐藤さんも
「ちょっと〜〜!
プレッシャーかけますね〜〜〜っ!」
と、返してくださったので
盛り上がったりしたのですが
佐藤さんも数え切れない程
マスコミ取材で
「漫才にトライされて如何でしたか?」
って質問されていらっしゃると
思ったんですよね。
だから、また同じ答えを
おっしゃって頂くよりは
違う角度から攻めて(?)
みた方がいいかしら〜?と。
(その日も早朝から取材の嵐)
でも、いずれにしても
ややこしい司会者ですね(笑)
そんなこんなの
やりとりが続いて
お二方のお話が
さすが非常に面白く
とても盛り上がった所で
私「あの。。。最後になりましたが、
佐藤さんは確か阪神ファンで
いらっしゃいましたよね。
漫才ギャングも
迫力のアクションシーン満載
ですが、
きっと阪神も迫力の試合を
見せてくれると思います。
(かなりこじつけ、笑?)
ぜひ、佐藤さんから
阪神タイガースへの
声援を頂けたらと。。。」
品川監督:
「おいおい、ちょっと待ってよ!
これだけ映画の話しといて
最後は阪神かよっ。」
場内、爆笑。
私:「え〜っとですね(笑)
(色々やんわり説明しつつ)
マスコミの方に阪神と共に
漫才ギャングも更にアピール
して頂こうと思いまして。
マスコミの皆様、(マスコミ席に向かって)
どうぞよろしくお願い致しますぅ〜!」
って、お客様を前に
マイクを通して
お願いしてよいのか(笑)
決してスマートではない
と思うのですが
なんといいますか
関西らしい和やかな
笑いに包まれ・・・。
最後には、もちろん
映画の話に戻して
お二方からメッセージを
頂いた訳ですが
そんなこんなの流れがあり
今回、スポーツ新聞の方などが
“阪神”ネタも絡めて
記事を書いてくださった。
そして、それが
ネットでも大きく
取り上げて頂いた。
そのニュースを見て
私は「良かったぁ^^」と
思ったのでした。
ちゃんちゃん(笑)。
* ****
ごめんなさい。
とりとめのない話で・・・。
なんといいますかね、
今回の、この一連のことを
通して
私は何が書きたかったか
というと
自分の仕事に対して
何がどうなれば
自分にとっては
“成功”であり
役目を果たしたことに
なるのかを
把握していなければ
自身の仕事に
迷いやブレが生じる。
だから、
何かしらのプロジェクトなり
仕事をする前に
自分にとっての
ゴールは何であるのか
もしゴールが幾つも
あるのなら
その優先順位は何なのか?を
明確に決めておいた方が
その仕事をやる上で
ブレない状況判断が
できるのでは?
という事を
改めて感じた、
ということなのでした。
* ******
今回の自分のMCが
ベストだったとは
思わないのですが、
昔の私であれば
品川監督からの
「最後は阪神かよっ。」
という“つっこみ”を
真に受けて
後で、「監督を不快にさせて
しまったぁ・・・、涙」と
めちゃくちゃ落ち込んで
いたかも知れない。
でも今は、
この件は打ち合わせ済み
でしたし^^、
何よりも本作をアピールすることが
大事と思ったので
(品川監督も、盛り上げる為の
ツッコミだったと解していますが、
違ってたりして!)
そこで落ち込むことは、
まずない。
私のような
ルーティンワークではない
仕事の場合は
プロジェクト毎に
スタンスが変わります。
そこで流れ作業のように
受けてしまうと
どこからどこまでが
自分の責任なのか
わからなくなる。
すると無駄にエネルギーを
使ってしまったり
するべき事の
優先順位に迷いが生じる。
そうなると
プロジェクト自体も
うまく進まないし
私自身、精神的にも良くない。
昔は、新しいお仕事を頂くと
やみくもに頑張ろうと
必死だったけれど
今は、ようやく
まず周りを見て
自分の役割を把握しようと
努められるように
なったような気がするなぁ
というお話でした。
長々書いた割には
たいしたお話じゃなかったですね^^。
仕事は、
私を成長させてくれる
大切な存在なのだな、
と思う、
今日この頃でした。