(昨日の絵本パフォーマンスレポート)
昨日、双葉町の方々が避難されている
騎西高校に絵本パフォーマンスをさせて頂いた。
騎西高校は、既に廃校になってしまっていて
よくロケで使用されていたりするので業界内ではちょっぴり有名。
東京からだと車で1時間半はかかる。
高校に到着すると、駐車場には沢山のいわきナンバーの車が並んでいた。
屋根のついた中庭のような場所には、洗濯物がずらりと干されている。
この様子をみると、やはりここは高校ではなく避難所なのだと
思い知らされる。
時計を見ると11時すぎ。
会場の前の方ではお昼のラーメンが配られていて、段ボールを持った
(トレイに使う為)皆さんが入り口の外まで並んでおられた。
後ろの方は、健康チェックや血圧をはかるブース、景品のおもちゃ等を
渡すブースがあり・・・とちょっとした学園祭のような雰囲気の中
医療ネットワーク支援センターのボランティアスタッフの皆さんが
今回の催し物のフライヤーを笑顔で配ったり、各ブースで黙々と
準備をされていた。
会場入り口には 水の入ったプラスチックの可愛いコップに
生けられた2本のガーベラがずらりと並んでいて、横にはお花やさんの
おじさんが立っている。
ラーメンをもらった人達が、帰りに「これもいいのかしら?」と
おじさんに聞くと、「どうぞ持っていってください」とニッコリ笑顔。
”どうぞお部屋に飾ってください。”ということらしい。
ここでは、皆さんが各々の教室に別れて暮らしているそう。
鮮やかな赤やピンクのガーベラは、見ているだけでも心が明るくなる。
皆さんにとってもそうだといいな、と思った。
私達は、今回のエンターティメントを担当されている「結」の
あやさんとお会いして会場の打ち合わせをした後
今、流行っている「マルモのおきて」の主題歌「マル・マル・モリ・モリ」
のダンスをボランティアスタッフの皆さんとも一緒に踊ろうという
ことになったので、micが先生になり会場の外で30分間の猛特訓(笑)!?
皆さん、あっという間に私よりも上手になって、いざ会場へ。
何だか、本当に学園祭のよう・・・(笑)。
最初は、「ドコノコノキノコ」で体をほぐすところから始まって
絵本パフォーマンス、「マル・マル・モリ・モリ」のダンスとあっという
間に終わったのだけれど
意外と、大人の方が絵本を聞いてくださったり一緒に踊ってくださった
のが、私にとっては何だかとても嬉しいことだった。
最後の「マル・マル・モリ・モリ」は小学生の男の子まで元気に一緒に
踊ってくれたのが、きゅーん。
女の子の小学生は「ドコノコノキノコ」の時に、「そんなの幼稚園しか
踊らないよ。」と言って、踊ってくれなかったのだ(涙)。
(大人の私達が一番、喜々として踊っていたのに、笑!)
と、色々ありながらもmicのパートは無事終了。
以前として、会場は、多くの人で溢れて熱気ムンムン。
沢山の元気な子供たちや、あかちゃんを抱っこしたお母さん
親子連れ・・・一見、本当に普通の地域のバザーと変わらない雰囲気。
皆さん笑顔で、楽しんでくださっていた。
私は皆さんの気持ちは、どれだけ想像してもわからないけれど
一日でも早く元の生活に戻れる日が来ますように、と願うばかりだった。
最初、11時過ぎに会場入りしてから、ラーメンの行列は1時を過ぎても
続いていた。
1000人以上の方に行き渡るまでには、どうしても時間がかかるので
しょうがないとは思いつつも、温かいものをお渡しするとなれば
大人数だと非常に大変な事なんだなぁ、とひしひし感じた。
いつ帰ることができるかわからない中で、自分だったらどのように
ここで暮らすのだろう。
そう考えるだけで、今、帰る家があり、料理が出来て、自分の食べたい
物を食べることができることが、いかにありがたいかを感じずには
いられない。
会場入り口では、様々な団体の方が踊りや歌のコンサートを企画され、
そのポスターが貼られていた。
今回のボランティアスタッフの皆さんも、皆さんとっても笑顔の
素敵で、一生懸命働いていらっしゃった。
これまで、石巻や牡鹿半島、こういった避難所にお伺いさせて頂いて
私は毎回、とっても大事なものを頂いている気がする。
日々の日常がどれだけ、ありがたいことかを痛感し、
人々の温かさに触れ、そこで働く方々の一生懸命さにパワーをもらって。
そんな出来事の繰り返しで、私は今、自分の”生”を感じている。
6月8日は、そろそろ本業に戻ります。
また演じることが出来ると考えただけで、胸が熱くなります。
皆さんの心に届くかどうか、わからないけれど、
おそらく、これが一番、私らしい伝え方だと思うから。
写真は、ドコノコノキノコで一緒に踊ってくれて仲良しになった。
私のネイルを褒めてくれて、自身も先生に習ってネイリストだと
教えてくれた。
フィリピン人のロサリオさん、「今度いつ来るの?」と言ってくれた。
「まだわからないの。」と言うと、とても悲しそうな表情だった。
でも、ケータイもメールアドレスも交換したから大丈夫。
連絡とりあおうね、って言い合った。またお友だちが増えました。
(写真掲載は許可を得ています)