先週の土曜日は、2作品の舞台挨拶MCを務めさせて頂いた。
1回目は、「POV〜呪われたフイルム〜」という「おろち」など
Jホラーの代表的存在、鶴田法男監督のホラー作品。
主演が「14歳の母」の志田未来さん、
13代目リハウスガールの川口春奈さんそして、鶴田監督。
当日、可愛いアイドルちゃんお2人に会えると思うとテンションが
上がったが、その前にこのホラー映画を観なくてはならないワケで・・・
私はJホラーが何気に苦手なので極力避けてきたのだが、
(海外ホラーは案外笑えたりするのでOK)
今回極寒の日に独りで拝見することになってしまい
これはまさに修行だった・・・。普通に人生を送っているだけで
背中が凍り付く体験を何度もしているのに(心霊体験ではなく
自らの失敗によって‥)なぜ映画でまで怖い思いをしなくてはならない
のだろう・・・未だにホラー映画の存在が理解できない私‥(笑)
しかし、美女は怖い表情をしても、やはり美しい。
そしてどうにか修行を全うし、本番の舞台挨拶では制服姿のお2人が
登場。まだ高校生だけど既に様々なシーンで活躍されているので
とてもしっかりされていた。
鶴田監督は、昨年は悲しい出来事があったけれども、
僕としては世界的にも注目されているJホラーを盛り上げていくことで
日本を活気づけたい、といったような事を仰っていらした。
そんな感じで舞台挨拶は和やかなムードで終了。
(何も起こらなくて良かった・・・ホッ・・・)
そして、そのままTOHOシネマズ渋谷を退出し、その足で
ユーロスペースへ。
「生きてるものはいないのか」の初日舞台挨拶だ。
こちらは、石井聰亙改め石井岳龍監督の10年以上ぶりの新作。
もうこれが、本当に凄い作品だった。確実に映画の神様の存在を
感じたと言うか・・・撮影されたのは3.11の前だったそうだが、まさに
今の状態を予期しているのでは?と思えるほど、今の時代に見るべき
作品だった
ものすごーく簡単に紹介すると、大学のキャンパスでふつーに過ごして
いた大学生や一般の人々が、突然、独りずつ亡くなっていくという
ストーリーで、これはホラーでもなく・・・ジャンルは‥難しい。
その大学生たちの会話が面白すぎて、一瞬コメディなのかと思って
しまうが、そう見ていると最後にズドンとやられる。
石井監督といえば、「爆裂都市」「狂い咲きサンダーロード」など
公開当時はまだまだ子供だったけれど、レンタルして見た時には
日本映画ってなんてカッコいいんだ!と思った。
寺山修司さんの映画や塚本晋也監督の作品が好きだった私が
日本映画にのめりこんでいったキッカケの監督でもあった。
それだけに、監督の10年以上ぶりの作品に少しでも関わらせて
頂くこと、何より石井監督にお会いできることが非常に光栄で
少し緊張もしていたのだが、石井監督ってば(‥てばって・・・)
小柄で、おしゃれなサラっとした物腰の優しい監督さんで、その
作風とのギャップにまず驚かされた。
そして、緊張などしている場合でもなかった。
なにせ、登壇者が16名!7名、8名なら何度も経験があるが
これだけの方全員にお話をしてもらわなくてはならないのだから
時間配分が大変だ。
・・・というわけで、自己紹介の時は制限時間30秒。そして予め
よくレストランなどにある銀色のチーン!となる呼び鈴を宣伝の
方に用意して頂くことにした。
そして、30秒経ったらチーン!と鳴らしてもらう(笑)。
これは、計3回の舞台挨拶で功を奏し(←使い方間違っているような・・・)
ある役者さんは、
「ええっと。。あの・・・なんて言えば・・うーんと‥」
チーン!
「ええッ!!!!!」
会場、笑。
私「はいっ、ありがとうございました!」
会場、笑。役者さん、照・・・・。
といった時もあった。
本当は言葉が出てくるまでお待ちしたいところだけれど
映画初出演でまだ大学在学中の彼が、自分の言葉を必死で
紡ぎだそうとしているその姿を見ているだけでお客様はきっと
その彼の人となりが充分伝わったと思う。
だから、これでいい?ようにも思えた。
毎回、ラストバッターを務めるのは「ヒミズ」で一躍有名になった
染谷将太さん。
彼の演技は本作でも圧巻だった。
また、本作には村上淳さんも出演されていて、相変わらず
圧倒的な存在感を放っていた。
村上さんは楽屋でも、キャストの皆さんをずっと笑わせていたり
スクリーンでの印象とはまた違った面白い、優しい方だった。
私の帽子を見て「micの帽子被らせて!うわッ、頭ちっちゃいな」
とか、「生きてるものはいないかは本当に傑作だよね」と言って
色々とお話もさせて頂いた。
村上さんともいつかお会いしたいと思っていた役者さんだったので
とても光栄だった。しかし、水色の革のロングコートが似合うのは
村上さんだけかも・・・。
渋川清彦さんもいらしていて、その私服も本当にカッコ良かった。
こんな大人の男の人達が日本にいてくれるのは何だか嬉しい。
そんなこんなでラストは、21時からの舞台挨拶@吉祥寺・爆音上映。
極寒の夜だったが、沢山の方が入り口に並んでいらして
監督の人気を改めて感じた。
私はこういう作品こそ、もっと沢山の方にご覧頂きたいと思う。
見てみると、おそらく好みが分かれると思うのだが、本作は
ものすごい挑戦をしていて、なんていうかゾクゾクする。
口当たりのいい、見た目が素敵、とか、そんなテイストからは
かけ離れているのだが、
今、私が本当に欲しかったのはこんな映画だ、と思った。
癒すとか、癒されるとかも大事なのだけど、
世俗的なエゴにまみれながら、孤独感や途方もない絶望感と
対峙してみる、そんな時も私には必要なのだと感じた。
明日は『映画 ドラえもん のび太と奇跡の島
アニマルアドベンチャー』の舞台挨拶イベント
(このテイストの違い、笑)
とってもサプライズな事が起こるのだ。800人の親子の皆さん
ビックリするだろうなぁ。わくわく。
世の中には、色んな世界がある。夢も、希望も、絶望も。
写真は、画家T氏から頂いた桜のボディーシャンプー&ローション。
桜の香りが大好きなので、とっても嬉しかった。
春は、もうすぐ。